| 万葉集での花の呼び名 | くそかづら | 
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| 日本名 | ヘクソカヅラ | 
| 題詞 | 高宮王詠數首物歌二首 | 
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| 訓読 | さう莢に延ひおほとれる屎葛絶ゆることなく宮仕へせむ 作者 高宮王 16巻3855  | 
                                    
| 原文 | コ莢尓 延於保登礼流 屎葛 絶事無 宮将為 | 
| 仮名 | さうけふに はひおほとれる くそかづら たゆることなく みやつかへせむ | 
| 左注 | なし | 
| 校異 | なし | 
| 事項 | 雑歌 作者:高宮王 物名 宴席 即興 植物 | 
| 歌意味 | サイカチの木にヘクソカズラが まつわりついているような こんな俺だが休むことなく 役所勤めを続けよう | 
| 解説 | 高宮王(たかみやのおおきみ)が数種の物を詠んだ歌二首「皂莢に~屎葛」〈絶ゆることなく〉を導く序詞。「皂莢」マメ科の落葉高木。サイカチ。別名カワラフジノキ。「延ひおほとれる」まつわりついてしまりなく乱れ広がっている。〈る〉存続・連体形。「屎葛」つる草の名。ヘクソカズラ。茎・葉・花など全体が臭い。 | 
| 分類 | :アカネ科 | 
| 開花時期 | :7月〜9月 | 
北海道から琉球、朝鮮半島、中国、台湾、フィリピンに広く分布し、草藪に多い多年生。草状のつる植物。日本名は屁糞蔓または屁臭サカズラは全体に悪臭があるからである。古名はクソカズラ、ヤイトバナは花の中央がお灸のあとに似ているから、サオトメバナは早乙女花である。漢名は牛皮凍という。[新分類牧野日本植物図鑑 2017:968]
薬草
                                秋、よく熱した果実を採って、そのまま利用する。また同じ時期に根茎を掘り採り、よく水洗いしてから日干しにする
<成分>イリドイド配糖体・イリドイドエステル<薬効>しもやけ・ひび・あかぎれ・腎臓病(根茎)・下痢(根茎)<使用方法>しもやけなどには、熟した果実を採り、よく水洗いすり潰し、市販のハンドクリーム5,果実1の割合で合わせ、患部に厚めに塗り、ガーゼに当てておく。腎臓病・下痢には、乾燥させた根茎10gを細かく刻んで、カップ3の水で半量になるまで煎じる。これを一日量とし、3回に分けて服用。[増田和夫  2006:210]